2016年7月28日木曜日

動くための工夫(3)


「動くための工夫(2)」からの続きです。
今回はその3回目で最終回です。

前回、「着地する際は抜重前の開脚幅より更に開脚して着地する方が良い」と述べました。
また「開脚方法は下記の3種類ぐらいに大別できる」とも書いたと記憶しています。

【 3種類の開脚方法 】
(1)サイドbyサイド型-----大きく左右に開く。
(2)トップ&バック型-----大きく前後へ開く。
(3)ダイアゴナル型-----対角線的にななめへ開く。

[図-1] 3種類の開脚方法









[3]着地そして移動

過去から現在に至るまでいろいろ試したところ、ダブルスで効果のあった開脚方法は
ズバリ!! ダイアゴナル型でした。
ただし、先に断っておきますがダイアゴナル型以外がダメなわけではありません。
それぞれのシチュエーションによってはサイドbyサイド型やトップ&バック型が効果的な場合もあります。
つまり、ダブルスのゲーム全般において、ダイアゴナル型の頻度が他の型に比べて高いだけです。

因みにシングルスの場合はダイアゴナル型だけが突出して多くなりません。
それはダブルスに比べ移動量が多い事と移動方向に関係があると考えます。

ではなぜダイアゴナル型が有利なのか・・・?
それは「横方向の移動よりも縦方向の移動の方が圧倒的に多い」からです。
例えば自陣側が敵陣側センター奥にロブを上げたとしましょう。 当然、敵陣側からのスマッシュを想定して、自陣側はサイドbyサイドの陣形をとりますよね。
サイドbyサイドになるということは、ひとりでコート半面分を受け持つことになります。

[図-2] サイドbyサイド時における受け持ち範囲
この状況を図示したら[図-2]のような状況です。
プレーヤーAが受けも持つ概ねの範囲はピンク色に着色した部分となります。同様にプレーヤーBは無色部となります。
この時各プレーヤーの横方向に対する受け持ち幅は約3.05mとなります。

この程度の距離でしたら、サイドライン際に打ち込まれても片足をスライドさせるだけで、十分対応可能です。
つまり体全体を移動しなくともシャトルに触れることができますよね。
しかし、ネット際いっぱいにカットを打たれたり、バックバウンダリー際へドリブンクリアを打たれると、縦方向への移動が生じます。

仮に自陣コートの中間部に居たとしても、前後ともに概ね3.35mの距離があるため(6.70m÷2)、移動するには少なくとも2歩必要となります。
たった2歩のことなのですが、足つき如何によっては移動が遅れてしまい、ノータッチを取られてしまうこともあります。

ダイアゴナル型開脚での利点は次の通りです。
(1)効率的な反力の利用
(2)下半身のひねりが加わり、移動方向へのスムーズな誘導

(1)に関しては、別記事「対動作でパワー向上」であらためて執筆します。
(2)については足が前後ななめ方向に広がることにより、右腰が前方向へ、左腰が後へ引かれるため下半身は半身(はんみ)になります。
コート上で移動するには「行きたい方向へ肩(腰)を向ける」ほうが素早く動けます。
ダイアゴナル型開脚によって、着地と同時に下半身が半身となっているため、上半身も追従しやすくなります。
つまり、前方向へ右腰・右肩が向きやすく、移動がスムーズになります。
では、後方向への移動はどうなのかと云うと、下半身が半身となっているため反力が効率利用できるため、こちらも問題なく移動できます。
(※反力については別記事で記載します)

尚、着地時に注意してもらいたいことは、[図-1]のようにつま先がまっすぐ前を向いた(上半身の向いてる方向)着地とはなりません。 (稚拙なイラストで申し訳ないです・・・)
正しくは右足(前足)、左足(後足)とも左斜め方向へ向いた形で着地となります。

もうひとつは[図-1]の図示は右利きの人が行った場合の図となっています。
左利きの人は左右が逆転した形となります。(当たり前ですが・・・)

「動くための工夫」はこれで完結ですが、既にダイアゴナル型で着地している方はつま先の向きや開脚方向など更に工夫を加えてみて下さい。
更に効果が望めるかもしれませんよ。
ダイアゴナル型以外の人は一度試してみて下さい。
特にサイドbyサイド型開脚の方は、動き出しが楽に感じられる事と思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿