日常生活の中でも物事をよく観察すると見えてくる事がたくさんあります。
ワンコ(犬)やニャンニャン(猫)などを飼育されている人も数多いと思いますが、このような動物達から学べる動作もたくさん隠れています。
動物の持つ「機敏性」「瞬発力」「跳躍力」などは、到底人が敵わない能力ですがその動作をマネて、能力を向上させることは可能だと考えます。
その動作のひとつに「対動作(ついどうさ)」というものがあります。
対動作とは「前後」「左右」「上下」とあらゆる方向に対照となる運動を行うことを指します。
具体的な例を示すと・・・・
(1)両手を左右に拡げる・閉じる
(2)脚を前後に開く・閉じる
(3)両手・両脚を使いジャンプする
・・・・などが対動作の動きとなります。
この動作をうまく利用できれば「反力(はんりょく)」が増大し、それがエネルギーへと変換されます。
反力とは「動作させたい方向の逆へかかる力」のことで、反発力もこれに含まれます。
この反力を利用できるか否かによって、パフォーマンスに大きな差がでてきます。
上記の説明ではいまいちピンとこないので、イメージしやすいよう「腕相撲の取り組み」を例にして対動作と反力を解説しますね。
子供の頃、学校の教室などで仲間達と遊んだ経験があると思いますが、もう一度思い出してみて下さい。
机を挟んで相手と対峙し、机の上に肘を立てお互いの手の平をガッチリ握り、かけ声と共に相手の腕をねじ伏せるべく対戦したことと思います。
この時、もう片方の腕はどうしていましたか? ヒザの上においてましたか?それとも机の縁(ヘリ)を押さえていましたか??
片方の腕はどこに置いていても腕相撲をすることはできますよね。
でも、力の入り具合はどうでしょう・・・、同じでしたか?
ふたつを試してみれば結果はすぐわかると思いますが、10人中10人共「机の縁を押さえる方が力が入る」と答えるハズです。
これが「対動作」と「対動作による反力」なのです。
若い人達は反力を少々利用しなくとも、筋力があるためにそれをエネルギーへとをうまく変換できますが、中高年層や熟年層になると誰でも筋力は低下してきます。
「トシだから若いモンに負けて当然!」だとか弱音を吐かず、「それを補うためにはどうすればいいか?」とプラス思考で考えてみて下さい。
練習の成果で反力がうまく活用できるようになれば、今まで歯が立たなかった「今時の若いモン」にも肉迫できるかもしれません。 (^_^)v
次回は腕相撲を例にした対動作と反力についてもう少し詳しくみていきます。
「対動作でパワー向上(2)」へつづく
甲賀市で活動している「どたバドくらぶ」のバドミントン日誌です 日夜上達を目指し練習や試合で感じたこと、 試行錯誤で見つけたことなど日々精進のあれこれを綴ったブログ
2016年8月6日土曜日
2016年7月28日木曜日
動くための工夫(3)
「動くための工夫(2)」からの続きです。
今回はその3回目で最終回です。
前回、「着地する際は抜重前の開脚幅より更に開脚して着地する方が良い」と述べました。
また「開脚方法は下記の3種類ぐらいに大別できる」とも書いたと記憶しています。
【 3種類の開脚方法 】
(1)サイドbyサイド型-----大きく左右に開く。
(2)トップ&バック型-----大きく前後へ開く。
(3)ダイアゴナル型-----対角線的にななめへ開く。
[図-1] 3種類の開脚方法 |
[3]着地そして移動
過去から現在に至るまでいろいろ試したところ、ダブルスで効果のあった開脚方法は
ズバリ!! ダイアゴナル型でした。
ただし、先に断っておきますがダイアゴナル型以外がダメなわけではありません。
それぞれのシチュエーションによってはサイドbyサイド型やトップ&バック型が効果的な場合もあります。
つまり、ダブルスのゲーム全般において、ダイアゴナル型の頻度が他の型に比べて高いだけです。
因みにシングルスの場合はダイアゴナル型だけが突出して多くなりません。
それはダブルスに比べ移動量が多い事と移動方向に関係があると考えます。
それはダブルスに比べ移動量が多い事と移動方向に関係があると考えます。
ではなぜダイアゴナル型が有利なのか・・・?
それは「横方向の移動よりも縦方向の移動の方が圧倒的に多い」からです。
例えば自陣側が敵陣側センター奥にロブを上げたとしましょう。 当然、敵陣側からのスマッシュを想定して、自陣側はサイドbyサイドの陣形をとりますよね。
サイドbyサイドになるということは、ひとりでコート半面分を受け持つことになります。
この状況を図示したら[図-2]のような状況です。
プレーヤーAが受けも持つ概ねの範囲はピンク色に着色した部分となります。同様にプレーヤーBは無色部となります。
この時各プレーヤーの横方向に対する受け持ち幅は約3.05mとなります。
この程度の距離でしたら、サイドライン際に打ち込まれても片足をスライドさせるだけで、十分対応可能です。
つまり体全体を移動しなくともシャトルに触れることができますよね。
しかし、ネット際いっぱいにカットを打たれたり、バックバウンダリー際へドリブンクリアを打たれると、縦方向への移動が生じます。
仮に自陣コートの中間部に居たとしても、前後ともに概ね3.35mの距離があるため(6.70m÷2)、移動するには少なくとも2歩必要となります。
たった2歩のことなのですが、足つき如何によっては移動が遅れてしまい、ノータッチを取られてしまうこともあります。
ダイアゴナル型開脚での利点は次の通りです。
(1)効率的な反力の利用
(2)下半身のひねりが加わり、移動方向へのスムーズな誘導
(1)に関しては、別記事「対動作でパワー向上」であらためて執筆します。
(2)については足が前後ななめ方向に広がることにより、右腰が前方向へ、左腰が後へ引かれるため下半身は半身(はんみ)になります。
コート上で移動するには「行きたい方向へ肩(腰)を向ける」ほうが素早く動けます。
ダイアゴナル型開脚によって、着地と同時に下半身が半身となっているため、上半身も追従しやすくなります。
つまり、前方向へ右腰・右肩が向きやすく、移動がスムーズになります。
では、後方向への移動はどうなのかと云うと、下半身が半身となっているため反力が効率利用できるため、こちらも問題なく移動できます。
(※反力については別記事で記載します)
尚、着地時に注意してもらいたいことは、[図-1]のようにつま先がまっすぐ前を向いた(上半身の向いてる方向)着地とはなりません。 (稚拙なイラストで申し訳ないです・・・)
正しくは右足(前足)、左足(後足)とも左斜め方向へ向いた形で着地となります。
もうひとつは[図-1]の図示は右利きの人が行った場合の図となっています。
左利きの人は左右が逆転した形となります。(当たり前ですが・・・)
「動くための工夫」はこれで完結ですが、既にダイアゴナル型で着地している方はつま先の向きや開脚方向など更に工夫を加えてみて下さい。
更に効果が望めるかもしれませんよ。
ダイアゴナル型以外の人は一度試してみて下さい。
特にサイドbyサイド型開脚の方は、動き出しが楽に感じられる事と思います。
それは「横方向の移動よりも縦方向の移動の方が圧倒的に多い」からです。
例えば自陣側が敵陣側センター奥にロブを上げたとしましょう。 当然、敵陣側からのスマッシュを想定して、自陣側はサイドbyサイドの陣形をとりますよね。
サイドbyサイドになるということは、ひとりでコート半面分を受け持つことになります。
[図-2] サイドbyサイド時における受け持ち範囲 |
プレーヤーAが受けも持つ概ねの範囲はピンク色に着色した部分となります。同様にプレーヤーBは無色部となります。
この時各プレーヤーの横方向に対する受け持ち幅は約3.05mとなります。
この程度の距離でしたら、サイドライン際に打ち込まれても片足をスライドさせるだけで、十分対応可能です。
つまり体全体を移動しなくともシャトルに触れることができますよね。
しかし、ネット際いっぱいにカットを打たれたり、バックバウンダリー際へドリブンクリアを打たれると、縦方向への移動が生じます。
仮に自陣コートの中間部に居たとしても、前後ともに概ね3.35mの距離があるため(6.70m÷2)、移動するには少なくとも2歩必要となります。
たった2歩のことなのですが、足つき如何によっては移動が遅れてしまい、ノータッチを取られてしまうこともあります。
ダイアゴナル型開脚での利点は次の通りです。
(1)効率的な反力の利用
(2)下半身のひねりが加わり、移動方向へのスムーズな誘導
(1)に関しては、別記事「対動作でパワー向上」であらためて執筆します。
(2)については足が前後ななめ方向に広がることにより、右腰が前方向へ、左腰が後へ引かれるため下半身は半身(はんみ)になります。
コート上で移動するには「行きたい方向へ肩(腰)を向ける」ほうが素早く動けます。
ダイアゴナル型開脚によって、着地と同時に下半身が半身となっているため、上半身も追従しやすくなります。
つまり、前方向へ右腰・右肩が向きやすく、移動がスムーズになります。
では、後方向への移動はどうなのかと云うと、下半身が半身となっているため反力が効率利用できるため、こちらも問題なく移動できます。
(※反力については別記事で記載します)
尚、着地時に注意してもらいたいことは、[図-1]のようにつま先がまっすぐ前を向いた(上半身の向いてる方向)着地とはなりません。 (稚拙なイラストで申し訳ないです・・・)
正しくは右足(前足)、左足(後足)とも左斜め方向へ向いた形で着地となります。
もうひとつは[図-1]の図示は右利きの人が行った場合の図となっています。
左利きの人は左右が逆転した形となります。(当たり前ですが・・・)
「動くための工夫」はこれで完結ですが、既にダイアゴナル型で着地している方はつま先の向きや開脚方向など更に工夫を加えてみて下さい。
更に効果が望めるかもしれませんよ。
ダイアゴナル型以外の人は一度試してみて下さい。
特にサイドbyサイド型開脚の方は、動き出しが楽に感じられる事と思います。
2016年7月23日土曜日
動くための工夫(2)
「動くための工夫(1)」からの続きです。
今回はその2回目ですが、ジャンプ型と抜重型の動きの違いについての説明がなかったので、補足しておきます。
「ジャンプ型」
文字通り上へジャンプして初動動作を行うことです。
「抜重型」
ばつじゅうと読みます。漢字が表すとおり「体重を抜く」ことを指します。
今では死語なのかもしれませんがスキーをやっていた人ならわかると思います。(笑)
腰から下の力を「フッ・・・」と抜いて腰を落とすようなリアクションとなります。
さて今回はリアクションステップにおける着地について考察してみます。
今回はその2回目ですが、ジャンプ型と抜重型の動きの違いについての説明がなかったので、補足しておきます。
「ジャンプ型」
文字通り上へジャンプして初動動作を行うことです。
「抜重型」
ばつじゅうと読みます。漢字が表すとおり「体重を抜く」ことを指します。
今では死語なのかもしれませんがスキーをやっていた人ならわかると思います。(笑)
腰から下の力を「フッ・・・」と抜いて腰を落とすようなリアクションとなります。
さて今回はリアクションステップにおける着地について考察してみます。
2016年7月18日月曜日
動くための工夫(1)
本屋に並ぶバドミントン教本を開くと基本ストロークの打ち方から始まり、ストレッチ体操等々バドミントンの基礎ともいえる内容が記載されています。
ジャンル別の掲載比率をみると基本ストロークが圧倒的に占めています。
これからバドミントンを始める人や、始めて間もない人には適切な指導書なんですが、長く続けていると早く動き出すにはどうすればいいのか??、どうすれば安定して止まれるのか??などギモンが湧いてきます。
特にフットワーク関連は入門書では割愛されている部分が多いため、能力を高めるには自分なりの「工夫」やいろいろ「試行(試すこと)」が大切になります。
約14年(2016年現在)自分なりに色々と試してした結果、「ひとつの指標」が見い出せました。
記載するにあたり先にふたつの断りを入れておきます。
1つ目は、この方法は「まだまだ改良の余地有り」的なものかもしれませんし、「ほぼ完成形に近い方法」かもしれません。
どちらにしろ自分的にはまだ、道半ばでの通過点のひとつに過ぎません。
これから更に改良点は無いかと模索し続けていきます。
2つ目は、ダブルスにおけるフットワークとして読んで下さい。
シングルスの場合はダブルスに比べ移動量が多くなるため、状況によっては遅延が生じることが有ります。(自身で検証した結果)
前置きが長くなりましたが、「動く動作」を細分化してそれぞれのパートを解説しますね。
[1]初動(リアクションステップ)
ご存じの通り、動く為のきっかけとして皆さんリアクションステップを行いますよね。
リアクションステップがとれてない人は正直、動き出しが遅くなります。
コーチなど他者に見てもらい「取れてない」と指摘された人は改良して下さい。
また「リアクションステップ取ってます!」と頑なに言い張る人も中にはいますが、それは「取ってるつもり」なのが殆どです。
客観的には見えないくらいの微々たる動作なので、更に大きくアクションして下さい。
リアクションステップにも様々な方法があります。
私自身も当初のステップから色々試行して今のステップに至っています。
リアクションステップ取るための動作は大きくふたつに分けられます。
ひとつは「ジャンプ型」。 もうひとつは「抜重型」。
結果から先に云いますと「抜重型」の方が早く動ける気がします。
・・・というより、実際早く動けます。
それぞれの型における動作とその時の筋肉の状態(緊張、弛緩)を時系列に沿って
書き出してみたのが下記になります。
「ジャンプ型」--①ジャンプするための沈み込み(緊張) ⇒ ②ジャンプ時の伸展
(緊張) ⇒ ③中空姿勢(弛緩) ⇒ ④着地(緊張) ⇒ ⑤着地時の沈み込み(緊張) ⇒
⑥動き出しへの伸展(緊張)
「抜重型」--①沈み込み [抜重](弛緩) ⇒ ②着地(緊張) ⇒ ③動き出しへの伸展(緊張)
見て判る通り、ジャンプ型は6ステップあるのに対し、抜重型は僅か3ステップで終わりです。
ステップ数が少ない方が早くなるのは当然ですが、各ステップにおけるエネルギーロスの少なさも「抜重型」の方が優れています。
また、抜重型の①沈み込みはジャンプ型の⑤着地時の沈み込みにあたるため、②着地は殆ど感じられず、実際には①⇒③に近い状態となります。
もうひとつ大きな違いは①の挙動を行うタイミングです。
ジャンプ型で①を行うタイミングは対戦者がフォワードスイング後半に入った時です。
つまり、シャトルヒット前にジャンプしており、ヒットした時には着地となります。
抜重型ではシャトルヒットの瞬間に①を行います。
どちらの型でも最終パートのタイミングは同じでないとなりません。
つまり、おしりを合わせるためにジャンプ型は抜重型に比べて早目に挙動を起こさないとならないわけです。
僅かな差ですが、ゲームにおける優劣に大きく影響を及ぼすように思います。
動くための工夫(2)へ続く
ジャンル別の掲載比率をみると基本ストロークが圧倒的に占めています。
これからバドミントンを始める人や、始めて間もない人には適切な指導書なんですが、長く続けていると早く動き出すにはどうすればいいのか??、どうすれば安定して止まれるのか??などギモンが湧いてきます。
特にフットワーク関連は入門書では割愛されている部分が多いため、能力を高めるには自分なりの「工夫」やいろいろ「試行(試すこと)」が大切になります。
約14年(2016年現在)自分なりに色々と試してした結果、「ひとつの指標」が見い出せました。
記載するにあたり先にふたつの断りを入れておきます。
1つ目は、この方法は「まだまだ改良の余地有り」的なものかもしれませんし、「ほぼ完成形に近い方法」かもしれません。
どちらにしろ自分的にはまだ、道半ばでの通過点のひとつに過ぎません。
これから更に改良点は無いかと模索し続けていきます。
2つ目は、ダブルスにおけるフットワークとして読んで下さい。
シングルスの場合はダブルスに比べ移動量が多くなるため、状況によっては遅延が生じることが有ります。(自身で検証した結果)
前置きが長くなりましたが、「動く動作」を細分化してそれぞれのパートを解説しますね。
[1]初動(リアクションステップ)
ご存じの通り、動く為のきっかけとして皆さんリアクションステップを行いますよね。
リアクションステップがとれてない人は正直、動き出しが遅くなります。
コーチなど他者に見てもらい「取れてない」と指摘された人は改良して下さい。
また「リアクションステップ取ってます!」と頑なに言い張る人も中にはいますが、それは「取ってるつもり」なのが殆どです。
客観的には見えないくらいの微々たる動作なので、更に大きくアクションして下さい。
リアクションステップにも様々な方法があります。
私自身も当初のステップから色々試行して今のステップに至っています。
リアクションステップ取るための動作は大きくふたつに分けられます。
ひとつは「ジャンプ型」。 もうひとつは「抜重型」。
結果から先に云いますと「抜重型」の方が早く動ける気がします。
・・・というより、実際早く動けます。
それぞれの型における動作とその時の筋肉の状態(緊張、弛緩)を時系列に沿って
書き出してみたのが下記になります。
「ジャンプ型」--①ジャンプするための沈み込み(緊張) ⇒ ②ジャンプ時の伸展
(緊張) ⇒ ③中空姿勢(弛緩) ⇒ ④着地(緊張) ⇒ ⑤着地時の沈み込み(緊張) ⇒
⑥動き出しへの伸展(緊張)
「抜重型」--①沈み込み [抜重](弛緩) ⇒ ②着地(緊張) ⇒ ③動き出しへの伸展(緊張)
見て判る通り、ジャンプ型は6ステップあるのに対し、抜重型は僅か3ステップで終わりです。
ステップ数が少ない方が早くなるのは当然ですが、各ステップにおけるエネルギーロスの少なさも「抜重型」の方が優れています。
また、抜重型の①沈み込みはジャンプ型の⑤着地時の沈み込みにあたるため、②着地は殆ど感じられず、実際には①⇒③に近い状態となります。
もうひとつ大きな違いは①の挙動を行うタイミングです。
ジャンプ型で①を行うタイミングは対戦者がフォワードスイング後半に入った時です。
つまり、シャトルヒット前にジャンプしており、ヒットした時には着地となります。
抜重型ではシャトルヒットの瞬間に①を行います。
どちらの型でも最終パートのタイミングは同じでないとなりません。
つまり、おしりを合わせるためにジャンプ型は抜重型に比べて早目に挙動を起こさないとならないわけです。
僅かな差ですが、ゲームにおける優劣に大きく影響を及ぼすように思います。
動くための工夫(2)へ続く
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