2024年1月19日金曜日

指先感覚を磨く

 バトミントン競技において「打つ動作」として、いちばんよく使われる動作は・・・

  (1)内旋動作
  (2)外旋動作
  (3)回内動作
  (4)回外動作

の4つです。

この動作はバトミントン競技には欠かせない動作ですし、基本コアでもあります。
指導者の方々もバドミントンを始めたばかりの人達への教示にあたり、基本動作として必ず盛り込んでいるはずです。
この4つの動作がどういったものなのかはバドミントン教本や指導者の教えに委ねるとして、今回はそこから大きく外れた指先や手首の動作について触れてみます。

 通常、オーバーヘッドストロークでは上記(1)~(4)の動作だけで打ちますが、ストロークの最終部分で「招きネコ」のように手首を曲げて打つ、いわゆる「スナップ動作」を使った打ち方をする人がたまにいます。
スナップ動作をしている人の握り方を観察すると「ウェスタングリップ」が圧倒的に多いようです。
バドミントンを始めたばかりの初心者はウェスタンの方がシックリくるので、どうしてもそのような握り方になりやすいのですが、ウェスタンに慣れてしまうとオマケで「スナップ動作」も付いてきます。

 そのため初心者や初級者へ説明する時は、変なクセがつかぬよう「絶対使わない!」と強く説明したりもします。
イースタングリップでの握りをマスターできると、ヒジ主導による回内・回外運動がやり易くなります。
回内・回外運動と書くと難しく感じるかも知れませんが、「腕相撲の動作」がまさにその運動になります。
相手をねじ伏せた(勝った場合)の動きが回内動作。
逆に自分がねじ伏せられた(負けた場合)の動きが回外動作です。

 一通りのショットが打てるようになってくると更なる技術を追い求めるようになります。
増してくるとインパクトの瞬間に手首を捻(ひね)って(※スナップ動作ではなく)、方向を変えたりする行為が必要になってきます。
しかしこのようなスピードのあるストロークで、手首を使ったことのない人達にトライしてもらうのは少々敷居が高いので、まずは柔らかい動作で手首や指先を使うことを体験してもらいます。

 練習にもってこいなストロークは「ヘアピン(ネット)」と「ストップ」と呼ばれる打ち方です。
ヘアピン(ネット)は初心者の人達にも理解できるかと思いますが、ストップって何?
と疑問を持たれるかと思います。
「ストップ」という打ち方が掲載されているバドミントン教本もあれば、割愛されている教本もありますので、ザックリと説明しておきます。
「ストップ」とは打つといったストローク動作というより、ラケットを使った挙動的行為に近いものです。

 具体的にはお互いドライブの打ち合いの最中、片方のプレーヤーがそれを軽く受けて、相手コート前へポトリと落とす行為をいいます。
今までスピードのあるドライブを繰り返していたものをスピードを殺してストップさせることから、「ストップ動作」や単に「ストップ」と呼ばれています。
これらヘアピン(ネット)やストップはパワーの必要が無いショットなので、手首や指の柔軟性を鍛えるにはもってこいです。
特にヘアピン(ネット)は手首と指の両方の柔軟度が大きく影響を受けるため、必須の練習課題と考えて下さい。
このブログでもヘアピン(ネット)を主に解説を進めていきます。
また解説を進めるにあたり下記に列挙した内容の理解と意識を十分して下さい。

(1)ツイスト動作をつかう
 手首を動かす動作には2種類あります。 1つ目は「スナップ動作」。2つ目は「ツイスト動作」。
このブログで解説する動作は「ツイスト動作」にあたります。
「スナップ動作」は追い込まれて苦肉の策(リカバリーなど)として使う以外は利用しません。
つまり招き猫ような手首をカクカク動かすスナップ動作は使いません。
(※ フォアハンドにおける回内動作を増幅するための背屈は行いますが・・・)

 それと回内運動、回外運動がマスターできていない人はスナップ動作になりやすいので、まずは指導者やコーチにチェックを受け、しっかりマスターして下さい。
未習熟の人がこの練習を行うと「スナップ動作」を増長させてしまい本末転倒な結果になります。

(2)柔らかく握る
 スイング前はどのようなショットでもガチガチに握っていることはありません。
スマッシュを打つ時でも同じで、テイクバック時はラケットを落とさない程度のユルユル持ちです。
握り込むタイミングはフォワードスイング開始からです。
ヘアピン(ネット)などではスマッシュやクリアのように強く握り込むことはまず皆無です。
その替わり親指と人差し指を使った「押す」、「緩める」、「回す」、「つまむ」といった動作を多用します。
特に使用する部位は「親指の腹」と「人差し指の横腹」です。
また普段の握りも親指の腹と人差し指の横腹で軽くつまんでいる程度です。
その状態でグリップ全体を手の平で包み込んでいるだけです。
つまり、外部からの見た目は手の平全体で握っているかのように映りますが、実際には手の平の中でラケットは遊んでいる状態です。




2019年3月5日火曜日

グリップの握り考察

 以前、Yahoo!知恵袋を覗いていたら「グリップの握り方」に関する質問が掲載されており、興味深く感じて「自分が考える握り」について回答を投稿してみた。

尚、ここで言う「握り方」とはイースタングリップやウエスタングリップのような「握りの違い」を指すのではなく、スイング終了後から次のスイングまでの、いわば「待ち状態時」での握り方を考察したものである。

いつもの如く、一連の動作を分割して考える方が判りやすいので、今回もそれに倣いパート毎に分けて考察してみた。

[1]待ち姿勢時の握り

 昔のバドミントン教本では「中指、薬指、小指の3本で握り、親指と人差し指は添えるだけ」と記載されていたように記憶しているが、これはフォアハンドにおける握りを指している。(pic-1、pic-2)
高校生の頃は何の疑いもなく、教本に書かれた通りの握りを会得しようと努力していたことを今でも覚えている。

試してみればわかって頂けるが、この握り方では手の平に力が入らないことが解る。
インパクト時には残りの親指、人差し指も握り込むだろうと思われるが、何故かシックリこない。。。



その後40歳になるまでバドミントンとは無縁の生活を送っていたが、再開して数年経過した頃から「握りの変化」が現れてきた。

当初の5年間ぐらいは手のひら全体で軽く握り込んでいたが、今では親指と人差し指、中指の3本だけの「つまむような握り」へと変貌している。(pic-3、pic-4)
当時の教本からすれば完全な逆指を使った握りとなっている。(笑)



打ちたいショットによって若干の差はあるが、ハイクリアやドリブンクリアを打つ時などは手の平からグリップが浮いたような状態でテイクバックし、フォワードスイング時に握り込むような形となる。

つまり、テイクバックまではラケットが落ちない程度の微弱な力でしか握ってないのである。
そしてフォワードスイング開始時に五指全体でしっかり握り込まれた状態へと変わる。
過去の教本に載っていたような中指、薬指、小指を主体とした握りには決してならない。



高校生の頃より歳をとり若干知恵がついたせいなのか、または単に体力低下による横着によるものなのかは不明だが「脱力」というものを色々と試したきた。
そのためスイングフォームに限らず、レシーブ時の待ち姿勢やリアクションステップなど様々な場面において脱力方法の試行錯誤を繰り返した結果、現在の形へと変貌してきた。



たまに他クラブへ練習に行くとベテランの方が初級者へ指導されている場面に出くわすことがあるが、古い教本に記載されているような内容をそっくりそのまま指導されている時がある。
他クラブでの出来事なので口を挟むことができないが、ちょっとモヤモヤした気分になってしまう。

待ち姿勢やリアクションステップ時の脱力についてはまた別の機会に投稿するが、ベテランの指導者さんへひと言だけ。。。
つま先立ちでのレシーブ待ちは効果ないので、ぜひ改善を。。。

2017年6月10日土曜日

基礎打ちでのショットの順番 その2(完)

 今回は「基礎打ちでのショットの順番」その2です。

前回、ドライブから始めるクラブが多いと書きましたが、厳密には「ドライブから始める人達」が多いことです。
なぜなのか・・・。  個人的に考えて下記にまとめてみました。

 1)過去から続いているやり方が暗黙的に継承されている。
 2)他の人のやっている順番を何となく真似ている。
 3)相手の要望に対応してつきあっている。

ザックリ、こんな感じでしょうかね。。。。


 さて今回はカット(ドロップ)以降の順番ですが、くらぶで重んじていることは「肩やヒジなどの可動域を徐々に拡げていく」ことです。
よって【2】ドライブとしています。
【3】プッシュ(プッシュレシーブ)でもよいのですが、相互の打ち方が変わる(プッシュする側とレシーブする側に分かれる)ため、できれば同じショットを交互に打ち合った方がよいかと考えてました。
よって必然的に【2】ドライブのあとは【3】プッシュ(レシーブ)へと繋がっていきます。

 次の【4】ネット(ヘアピン)は順番に悩みました。。。
【3】プッシュ(レシーブ)以降ならどこに入れても問題ないので、最後でもよいと思うのですが、私のプッシュスタイルは前後左右へ動き回ることが多く、体力を消耗します。
そのため一旦休憩のつもりで、この順番にしました。
  体力のある方なら【3】プッシュ(レシーブ)後にクリアやスマッシュも有りかと考えます。

 基礎打ちの終盤部は「肩・ヒジ関節の可動域を大きく拡げたショット」ため、クリアやスマッシュとなります。
よって【5】スマッシュとしましたが、クリアを先に行っても問題無いと思います。
そして最後は【6】クリアで締めくくります。
スマッシュ後は息が上がっていますので、クールダウンのつもりでクリアとしました。
最後にネット(ヘアピン)で終了する方は、私のクリアと同じ考えでクールダウンさせているのだと考えます。


 最後に各ショットで使う肩・ヒジの負担度合いと可動幅の違いをまとめてみました。

  [ショット]    [負担]  [可動幅]
①カット・ドロップ-------小~中
②ドライブ------------
③プッシュ------------
④プッシュレシーブ--------
⑤ネット-------------
⑥スマッシュ-----------
⑦スマッシュレシーブ-------
⑧クリア-------------

2017年5月27日土曜日

基礎打ちでのショットの順番 その1

お久しぶりです!!

 先日、「VOLTRIC-ZFⅡの塩梅(その2)」を3年ぶりに掲載して、とりあえずこのシリーズは無理やり完結させましたので、新たな話題を掲載します。

 まだ、公開はしていませんが、前々から溜め込んだ記事もたくさん控えております。
でも写真等の資料が不備な状況や執筆する時間が取れないため、掲載までこぎ着けないのが現状です。
言い訳がましいことを述べ、ホント申し訳ないです。。。(反省)


 さて、今回は「基礎打ちでのショットの順番」について感じた事をサラッと掲載しますね。
どこのクラブでも基礎打ちは毎回行っていると思いますが、ショットの順番はクラブによって様々です。
さすがに初っぱなからスマッシュ打つ人に出会った事はありませんが、結構多いのが「ドライブから」です。
で、いつも「なんでドライブからなんだろう?」と疑念を持ちつつも、ご要望に応じます。
この「ドライブから」は地域的なものなのか、或いは全国的なものなのかは不明ですが、私の住んでいる地域で「何から打ちますか?」と尋ねると「ドライブから」が圧倒的な数を占めます。

 因みに私の所属しているどたバドくらぶでは次のような手順で基礎打ちを行っています。
他クラブと比較して列挙してみます。

 【どたバド】    【Aクラブ】    【Bクラブ】    【Cクラブ】
 ①カット      ①ドライブ     ①ドライブ     ①軽いクリア
 ②ドライブ     ②カット      ②カット      ②ドライブ
 ③プッシュ     ③プッシュ     ③プッシュ     ③カット
 ④ネット      ④クリア      ④クリア      ④クリア
 ⑤スマッシュ    ⑤ネット      ⑤ネット      ⑤プッシュ
 ⑥クリア      ⑥スマッシュ    ⑥スマッシュ    ⑥ネット
                               ⑦スマッシュ

 どたバドくらぶ以外の3クラブを比較しておもしろいのは全て最後はネット→スマッシュで終わっているところです。(^o^) 
で、基礎打ちの始まりは・・・Cクラブは軽いクリアですが、他はドライブ始まりです。
ここでは3クラブしか掲載していませんが、その他クラブでもドライブ始まりばかりでした。

 どたバドくらぶではカットから始めますが、これには理由があります。
それは「手始めに肩・肘のならし運動から入る」という思想からです。
先ほどまで平常な状態から突然、肩や肘に負担をかけると、筋肉が硬直してしまい後々のパフォーマンスに影響が出てくると考えます。
ドライブは一気に振込み、そして急ブレーキをかけるが如く一気にストップさせるショットです。
この時肩や肘への負担だけでなく、腹筋、背筋、臀部筋も緊張します。

 筋肉は緊張すると硬くなり柔軟性は失われてしまいます。
バドミントンに限らずあらゆるスポーツは「如何に柔軟性を高めるか」が重要に感じます。
そのために上腕や前腕の筋肉を柔らかく引き延ばされるような動きである、カットやドロップから始める方が体には良いのでは・・・と考えます。
 他競技で例えると・・・
野球選手がいきなり遠投やフルピッチングなんてしませんよね?(^_^;)
また短距離選手がトラックに入るなり、いきなり100mダッシュもしませんよね。
考え方はこれと全く同じです。


 またカット(ドロップ)の打ち方にもひと工夫しています。
初めは体のひねり(半身状態)もほとんど入れず、「カットがバレバレの姿勢」で打ち、徐々にひねりを加えていきます。  そして後半はフェイントを盛り込んだフォームで打ち終えます。

 このように打ち始めから打ち終えまでに動きを追加していくため、どうしても時間がかかります。
そのためカット(ドロップ)のパートは他のショットに比べて長くとるようにしています。

次回はカット以降のショットについての順番について掲載します。

2017年5月2日火曜日

VOLTRIC ZF-Ⅱの塩梅(その2 インプレッション編)

  前回の投稿からすでに3年も経ってから続きを投稿するなんて・・・・。
今更、何を血迷ってるですかねぇ・・・・。 ほんと・・・・。

  中途半端に終わるのも何なんで、とりあえず形だけでも完結させておきます。
前述の通り3年間同じラケットを使い続けております。
その間に張り替えたガット数は概ね20~24となっています。
いつも使っているガットは約1.5ヶ月程度で切れてしまいます。 長くもっても2ヶ月が限界です。

  テンションは変わらず25LBSで常に張り上げていますが、ガット種別は「アルティマックス」か新しく発売された「エアロソニック」をその時の気分により変えています。
エアロソニックは0.61mmと極細ゲージなので、やはり長持ちしません。
早い時には1ヶ月で切れてしまいます。 トホホ (T_T)

  で、今回の話題となる「使い心地」ですが、非常にイイです。
自身のプレイスタイルに合致しているせいなのか判りませんが、他のラケットに心が引かれません。
「使い心地がイイ」と感じた部分を下記に列挙してみました。


(1)ウェイトバランスがイイ
   ヘッドヘビーなラケットなのですが、ヘッドウェイトを分散することで昔のヘッドヘビー
   ラケットのような重さを感じさせません。
   しかし、スイング後半にはヘッドの重さが伝わってきます。

(2)シャフトのしなりがイイ
   シャフトのしなりをうまく利用できるスイングができていれば、ヘッドトもそれに追従して
   しなります。
   このしなり具合と粘りががとてもよく、ヘッドの反発力を増幅してくれます。
   このため軽いスイングでもよく飛んでくれます。

  VOLTRIC ZF-Ⅱを使う前はVOLTRIC 80を利用していました。
今でもVOLTRIC ZF-Ⅱのガット切れた時の緊急用にVOLTRIC 80を利用する時がありますが、やはりタイミングがズレてしまい、スイートスポットを外したスイングになることが多々あります。
同じ系列のラケットでも特性が異なる証です。

  4~5回程度の試打に近い利用では細かな特性まで見いだす事は困難かと思います。
みなさんも新しいラケットを購入した時には短期間の利用だけで優劣をつけるのではなく、スイングタイミングをズラしたり、スイングスピードに変化をつけるなど、試してみて下さい。
そして、もうひとつ重要なことは、どんなラケットを使うにしても原理は同じなのですが、シャフトをしならせ、そのしなりの反発力を有効活用できなければ、ただ単に「ちから打ち」にしかなりません。
反発打ちとちから打ちの違いが体感できれば、しめたものです。

  またの機会に「シャフトのしなり」や「反発打ち」について記載したいと考えてます。